ラジオで田原総一朗氏と上祐史浩氏（ひかりの輪・代表）が対談していた。タイトルは「終わらないオウム」（文化放送）。上祐史浩氏が、田原氏に「なぜロシアに言ったのか」と聞かれたとき、「ちょうどロシアではソ連が崩壊して宗教が自由化、人々が宗教的なものに飢えている、欲している状態であったので、信者は爆発的に増えた。数千人信者はいたと思います」と答えていたのには驚いた。ロシアの国粋主義者と摩擦を起したりするので、元ＫＧＢの人たちを雇い、警備会社を作ったりしなければならなかったとまで語っていた。
オウムが地下鉄サリン事件を起したとき、季節は大学の卒業時期で、卒業証書を手にした女子大生たちが、地下鉄に乗るのを避けて、遠回りして自宅まで帰っていたことを思い出す。９５年3月だった。電車ではしばらく荷物の警戒が続き、駅でのゴミ箱はガムテープにより封鎖された。
田原氏は「日本がかつて〝神の国〟と呼ばれて戦争に巻き込まれていったのも自爆テロだし、オウムも自爆テロだと思っている」と語った。番組中のアンケートで「まちがっていると思いながらも、麻原の指示に従わざるを得なかった上祐の心境について「理解できる」と答えたリスナーは４割を超えた。
日本人はとかく「自爆テロ」が好きな国民だ。かつて、ゼロ戦に乗っていた日本の戦士たちは、まったくなんの勝算もないままに特攻して命を落とした。これこそ自爆テロの最たるもので、極めて日本人的だと田原氏は言う。
麻原が逮捕された時間は、テレビ中継されていたが、逮捕されて拘置所まで連れ去られるまで、あらゆる会社で仕事の手が止まり、みんなが画面に見入っていた。
オウム真理教の後継団体である「アレフ」を脱却した上祐氏によると今のアレフは「サリンなきオウム」だという。大量に殺人が行われた地下鉄サリン事件は今も関係者に重い影を落としている。
（鹿砦丸）
