麻生副総理の発言が国際的な批判を受けてしまったため、日本政府は火消しに躍起である。そのなかで、卑劣な責任転嫁と程度の低い詭弁を奏する工作が行われている。
その中で最も醜いのが、窪田順生という元フライデー誌の記者の記事である。これは、よく自民応援工作する「誠」というサイトから、さらに別の情報サイトへと転載された。
これは要するに、ナチ発言はマスコミが悪意で曲解した情報操作だとして麻生を擁護したうえ、このマスコミの行為は、ナチの宣伝相がやったことと同じだと逆誹謗し、さらにアメリカが捏造したイラク攻撃の口実も同列とし、ブッシュ政権より報道したマスコミを非難する始末。
ここで窪田順生は、牽強付会と詭弁で長々と書いているが、肝心の擁護の根拠は、単に麻生が、ナチスのしたことについて「手口」という言葉を使ったことだけ。これをもって、麻生の意図は、悪い例として理解すべき、という意味なのが明らかだと強引に決め付ける。
確かに、「手口」とは悪いやり方という意味で使用される言葉である。しかし、それを副総理は「学」と言っており、この語源は「真似」と言われ、他に諸説あるものの、一般的には、師匠を弟子が真似て学ぶという意味で使用される。だから麻生ナチ発言は、悪い例を理解するということではなく、悪いと知って同じようにするという意味になる。だからこそ問題になったのだ。
それに、麻生の発言とは改憲を促進しようという話であり、その自民党改憲草案とは、自由と人権を全否定するものであるから、そこへ、進歩的なワイマール憲法を無効として独裁体制を作ったナチスの手法を引き合いに出せば、危ないと警戒されて当然である。これは実際に海外でも、やはり危険視されている。
ところが、窪田インチキ記事が掲載されたサイトに付いている「イイネ」とか「ツイート」が、一気に大量クリックされたうえ、具体性の無い匿名の賛同、および、汚く差別的な言葉になるマスコミ中傷ツイートが大量投稿され、反対に、具体的な反論や、詭弁であるとの厳しい指摘があると、数分で削除されてしまったのだった。
すでに、選挙でネット解禁となったことから、自民党はネット対策に大金を投じているだろうと言われていた。そして、今では大量の工作員たちを雇ったと思われる現象が、ネット上の各地に浮かんでいる。これについて、今後も監視と追及を続けていく必要がある。
(井上靜)