破竹の快進撃を続ける日曜劇場『半沢直樹』(TBS)。視聴率が毎回、上がっていく不思議なドラマで、ついに第4回は27.6%を超えた。
「やはり、堺雅人の演技が光っている。決め台詞『倍返しだ』『やられたらやり返す』を言うタイミングも効果的だ。わかりやすさが受けているのでしょう。テレビの黄金時代を彷彿とさせる番組です」(他局の演出家)
『半沢直樹』は、直木賞作家・池井戸潤氏の小説をもとにして、やや半沢のキャラクターを強気に作り上げている。苦労人の役者、堺が一気にブレイクし、培った演技力を惜しみなく注ぎ込んでいる。
堺が演じるメガバンクの融資課長である半沢直樹が、巨額の融資事故の責任を擦り付けられ、復讐を果たしていくのだが、やはり部下が上司にリベンジしていくカタルシスは、見ていて爽快感がある。
劇中に登場する「やられたら、倍返しだ」という決めゼリフは、サラリーマンや小学生の間でも大流行している。
第4話では、計画倒産で5億円を騙し取った東田(宇梶剛士)の隠し口座の情報を聞き出すため、愛人・未樹(壇蜜)に半沢が接触。未樹の夢であるネイルサロン開業に手を貸す約束を取り付けるも、未樹は東田の所得隠しを追う国税局に寝返ってしまう、という展開で、国税と東田、半沢の三つ巴の戦いが手に汗を握る。
「銀行マンから見ても、数字にうるさく『一度失敗したら、出向先に飛ばされる』銀行のシビアな現実は、かなりリアリティがある。もしかしたら、映画化もありうるかもしれません。このままいけば、池澤さんの小説も200万部を突破しそうな勢いです。ドラマと連動した『半沢直樹パン』も、コンビ二で売られていますが、かなりいい売り上げをあげているようです」(テレビ局関係者)
それにしても、『半沢直樹』がこれだけ好調なのも、かつてドラマを「つまらない」として見なくなった主婦層が帰ってきたため、というマーケティング会社の分析もある。いずれにせよ、半沢直樹が5億円を回収できるのか否か、というのが、職場で、学校で、また近隣でおおいに盛り上がっている。
(鹿砦丸)