来る、9月29日、『琉球の風2013 ~島から島へ~』フェスティバルが熊本で開かれる。
THE BOOM、新良幸人withサンデー、 大島保克 、下地勇 、かりゆし58、夏川りみ 、金城安紀、 知名定人 、よなは徹、村吉茜、関島秀樹、琉球國祭り太鼓九州各支部が出演する。
沖縄音楽好きなら、えっ、こんな粒ぞろいのアーチストが一堂に会するの!? と驚き、胸の鼓動が高くなるに違いない。そう感じたら、今から熊本を目指そう。
そして、なぜ熊本で? という疑問が湧くだろう。
それを解き明かすのが、発売されたばかりの『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』(鹿砦社)だ。
そこでまた疑問が湧くだろう。東濱弘憲って、誰なんだ? と。
東濱弘憲は、熊本市内の沖縄料理店「ゆがふ」の店主であった。
東濱は熊本生まれの、熊本育ち。父親が、沖縄の与那国の出身であった。
アパレル業でも活躍していた東濱だが、いつしか、自分のルーツである沖縄に心惹かれるようになる。
そして、2008年、第1回の『琉球の風』が開かれた。今年は、第6回となる。
同書では、そうした東濱の来し方を初め、宮沢和史(THE BOOM)、宇崎竜童、島袋優(BEGIN)、ネーネーズ、鳩間可奈子、藤木勇人、大島保克、内田勘太郎、新良幸人、下地勇、よなは徹、ボブ石原、など出演者や東濱とゆかりのあるアーチストが、『琉球の風』について語っている。
プロのイベンターでもない者が、情熱で始めたフェスティバル。
最初は赤字が膨らむ一方で、「もう、やめる、次はない」と周囲から言われながら、力を振り絞るようにして続けてきた。
そして、何が起こるか分からない、他のフェスティバルにはない楽しさがある、と出演者が口々に語る、類い希なイベントに成長した。
東濱弘憲は昨年、がんによって、この世を去った。
その志が受け継がれ、今年も『琉球の風』は開かれる。
「黄金でその目を汚さないで 黄金の花はいつか散る」とネーネーズは『黄金の花』で歌っている。
情熱こそが人を動かし、新たなものを生み出すのだという、変わらぬ真実が、同書からは熱く伝わってくる。
(FY)