歌手の華原朋美が、熱烈な求愛を受けてきた竹田恒泰を、公衆の面前でフッたと話題である。華原朋美(39)は、25日、一部で新恋人と報道されたタレント学者の竹田恒泰氏(38)について、交際していないと公開の場で宣言した。
それは竹田氏が訪れた華原のライブ「DREAM~TOMOMI KAHARA CONCERT 2013~」(渋谷・NHKホール)でのことだった。芸能紙の報道によると、アンコールになって「今日は竹田君がコンサートを見に来てくれてるんですよね」と切り出した華原は、熱愛報道について「本当に違うんです、付き合ってません」とキッパリ否定した。そして「支えてくれるし理解してくれるし、頑張れと背中を押してくれる大事な方。彼氏になってほしいと思ったら『彼氏になって』って言います。でも今のところないです。ごめんね(笑い)。でも本当のことだから」
この会場のロビーには、竹田氏から「恋の誓い」を意味するピンクのバラをあしらった花輪も届いていたが、華原は竹田からの想いを、3500人の聴衆の前でみごとに否定した。
これにより「いとおしいと思っている」などと散々ノロけてきた竹田の面目は丸潰れとなり、記者からの問いに竹田は「いきなりでビックリした」と答えたそうだ。
この「竹田クン」は、自分の家系が旧皇族であることを売りにしてきたが、女系天皇問題で対立した小林よしのりなどから「ニセ皇族」と非難というか揶揄されてもいた。
皇族と家系のつながりがあると自称したことがある人には、他に例えばプロ野球の野村監督の配偶者がそうで、彼女はアメリカの大学に留学したことなど、自分の経歴についてほら話が多いともいわれる。
また、例の熊沢天皇の騒動に見られるように、そもそも天皇の正統な家系については、いろいろと疑問が投げかけられてきたうえ、時には自分が正統だと自称する人まで現れるのだから、竹田の説く天皇の正統な家系についても、また竹田自身の血筋についても、突っ込みどころは満載であり、それについて彼は一種 の道化師となっていて、そのうえ彼の風貌とか口調などがユーモラスだから、人気が出たのである。
そんな竹田は、三種の神器Tシャツのような奇妙な商品を売りだすなど、やっていることがどうも可笑しい。もともとは真面目な研究者だったらしいが、タレント化すると変になるのは良くあること。
ただ、彼が紹介されるとき、元皇族であることとともに「山本七平賞を受賞」といわれるから、こりゃ駄目だということになる。山本七平といえば、イザヤ・ベンダサンという架空のユダヤ人を騙って「日本人とユダヤ人」という本を書いてベストセラーになったが、翻訳したのが山本というけれど、文体が日本語独特の言い回しなので、原文はどうなっていて、それをどう翻訳したのか、などと疑問をもたれていたし、また山本は普段から英文和訳がヘンテコリンであるという指摘もされていたから、最初から騙りによる捏造であろうと言われてきた。
そして、カルト宗教退治で知られる宗教学者の浅見定雄が、告発本「ニセユダヤ人と日本人」を出版し、「日本人とユダヤ人」がいかに宗教学的にも民俗学的にもデタラメか、また英文和訳は誤訳ばかり、という指摘を徹底的にしたのだった。
これに対して山本は、「エッセイであって学術論文ではない」という言い訳をしたし、後に架空のユダヤ人であることは認めた。だから、まるで週刊新潮のヤン・デンマンだと笑われた。これも後に週刊新潮の編集部員が、みんなで順番に成りすまして書いていたと告白していた。これと同様のニセ外人というわけだ。そしてイザヤ・ベンダサンとは「いざ・や、便、出さん」つまり「さあ、ウンコしようぜ」という、ふざけたものだったと判った。
そうすると、どうもこの山本の名を冠した賞を受けた竹田という人は、実に受賞者として相応しい人ではないか。まさに、ニセユダヤ人とニセ皇族である。
そんな人を堂々とフッたのだから、「小室哲哉の次に竹田恒泰とは、つくづく男運の悪い女性だ」と一時は言われた華原朋美だが、やはり苦労した甲斐あって見識が身についたのだろうと巷では指摘されている。
(井上 靜)