巨人と日本ハムで活躍した二岡智宏(37)が9日、千葉・鎌ケ谷の日本ハム2軍施設で引退会見を開き、「たくさんの人に支えられて15年間の野球生活をまっとうできた。完全燃焼できた」と穏やかに語った。昨年10月に戦力外通告を受けたが、トライアウトには参加せず、年末までオファーを待っていたが、どこからもなかった。一部、「二岡、引退」という先走った報道があったが、引退を決めたのは、今年に入ってからである。
脚のケガで「打てるが、走れない」という状態の二岡は、トライアウトされた場合は、規定により年収が1千万円を超えないというルールを嫌がり、「昨年末まで待つ」という選択をしたのだ。「打って出るよりは待つ」という選択をしたことで、Qちゃんこと高橋尚子が04年3月に、名古屋国際女子マラソンに「出ない」という選択をして、アテネ五輪直前のレースを回避、五輪選手に選ばれなかったトピックスを思い出す。3月にレースをしたとしても、回復に4ヶ月かかる。下手に参加して惨敗するよりも、過去の実績で選ばれるだろうとタカをくくっていたのだ。名古屋国際女子マラソンに参加した土佐は、結果を出して優勝。だがアテネ五輪では、体力が回復せず、ようやく5位に入った。
何が言いたいのかいうと「スポーツは名前では飯が食えない」という厳然たる事実だ。
「二岡が引退を決断したのは、今年の1月6日です。親しい巨人の幹部と相談して、アメリカにコーチ留学したり、将来は指導者になるバックアップをしてもえる確認がとれたので、ようやく引退に踏み切ったのです」(プロ野球記者)
二岡の場合は、山本モナとのキス写真が写真週刊誌に出てしまい、「キャプテンなのに何事か」という世論に押されて巨人を去った経緯がある。今でも二岡を慕う若手が多いだけに、巨人へのカムバックが期待される。二岡とQちゃんが「待つ」という選択をしたのは、果たして正解だったのだろうか。
「座して銘にふけるよりは打って出るべし」ということわざがある。いっぽうで、「待てば海路の日よりあり」ともいう。果たして、あなたの好みは「打って出る」派か「待つ」派か。
(鹿砦丸)