亀田ジムが追放されるという記者会見があるというので出かけてみた。ボクサーライセンスというのは、1年ごとに自動更新されるが、ジムを通して手続きされることもあり、ジムが消滅した状態で亀田3兄弟のライセンスも失効。国内での試合はできなくなり、ジムを移籍するか、海外に出るかしか亀田ジムの道はなくなった。
かつて、一世を風靡した亀田三兄弟だが、マスコミは少なく、40人程度。テレビはカメラのみで、レポーターは来てない。世間の関心はもはや稀少となっている。発端となったのは、日本ボクシングコミッション(JBC)が昨年12月にIBF世界スーパーフライ級王者亀田大毅(25)がIBF・WBA世界スーパーフライ級王座統一戦で負けて王座を保持した問題だ。ルールミーティングでは、『負けたら王座は空位』となっていたのだが、亀田は負けてから『負けても王座は防衛。IBFのルールにもそう書いてある』と主張した。
加えて、仲間内ともいえるJBCからの事情聴取に、弁護士を同席させるという頑なな態度をとった。JBCはボクシングの公平性と信頼性を失わせたとして、亀田ジムの吉井慎次会長のクラブオーナーライセンスとプロモーターライセンス、嶋聡マネジャーのマネジャーライセンスの今年度の更新を行わないことを発表した。事実上の永久追放処分でジムは消滅。亀田3兄弟のボクサーライセンスも失効し、国内での活動は事実上、不可能となった。だが、10年で15度、出されたJBCからの「厳重注意」は、このうち6度が亀田ジムに与えられたもの。要するに、亀田ジムはボクシング界にとってガンなのだ。7日には、亀田サイドがボクシンググローブの規格を巡ってJBC関係者を監禁したとして、被害者に提訴されている。どう見ても亀田ジムはもはや終わりで、三兄弟ともボクシングでは王者かもしれないが、人としては奈落に落ちたと言える。
JBCの秋山弘志理事長は「一連の騒動でボクシングの信頼性を傷つけた。(亀田ジムの)吉井さんは会長として、嶋さんはマネジャーとして不適格であると判断した。ライセンスを有しない人物が実質的なクラブオーナーであり、プロモーターであることを物語っており、亀田ジムのガバナンス(統治)が不健全で全く機能していないことを意味している。ライセンスを有していない人物の影響力を完全に排除するなどしないとライセンスは与えることはできない」と言い切った。亀田興毅、大毅、和毅とも素晴らしいボクサーだと思うが、品がないこと甚だしく、もはや弁解の余地はない。
個人的には、亀田三兄弟をコントロールしている父親の史郎氏を、JBCは完全に追い出すべきだったのではないだろうか。傀儡のジム経営で、選手たちを動かしていたのは、明確だったからだ。亀田三兄弟を見ていると朝青龍を思い出す。圧倒的な実力がありながら、勝負の舞台と関係ないところで品性を下げて、葬り去られる。
会見では、JBCサイドに報道が「きちんとした処分をするペーパーのような紙を出して欲しい」という要望が出た。
選手の未来を殺す会見をするのに、口頭で行うほどJBCは亀田ジムを慌てて切りにかかったのだ。今後、亀田三兄弟が海外に出るか、ジムを移籍するかは推移を見守りたいが、少なくても受け入れるジムはないだろう。すると、噂されているように、韓国かメキシコに移住もあり得るが、どうせそこでも問題を起こすに決まっている。問題児は地球上のどこにいても問題を起こすものだから。
(鹿砦丸)