4月1日から消費税増税に加えて、4月8日でマイクロソフトがWindows XPのサポートを終了するおかげで、秋葉などではPC買い替えの駆け込み需要で賑わっているようだ。サポート終了後のXPの危険性は、各所で注意を呼び掛けているのもあり、今更書くことでもないだろう。どちらかというと、駆け込み需要が終わった後にありがちな「PC関連製品が全く売れない不況」に陥らないことを祈りたい気持ちだ。
PCの寿命は使用環境にもよるが、凡そ5年、とよく言われる。5年前はWindows 7が発売された年であるし、その3年前にはWindows Vistaが出ている。現在XPを使っている人の殆どはもっと前から使用を続けている人達だろう。となると当然、PC自体にガタが来ていてもおかしくはない。買い替えのタイミングとしては良い頃かもしれない。5年以上前から使い続けているPCではWindows 7を動かすのは難しいし、評判の悪いVistaをわざわざ使う理由もない。今やWindows 8.1が出ている時代なので、時代に遅れないという意味でも新しいものにしておきたい。
とまあ順当(?)にXPのPCが調子悪くなってくれればいいのだが、問題なくまだ使える人にとっては「まだ使えるし……」「新しいWindowsにするのはちょっと……」と買い替えに拒絶反応を示すものだ。そういう人たちにセキュリティの問題が、なんて言ったところで聞き入れてはくれないだろう。普通に使っていれば、そうそうウィルスに感染しないからだ。
私も貧乏性が故、まだ動くものを簡単には捨てられない。ましてPC買い替えとなると安いものではないし、あまり安すぎる低スペックPCを買ってしまうと、XPより使い難くてストレスがたまる、なんてことにもなりかねない。さらにXPで使えたソフトが7や8では動かないなんてこともあり得る。
XPを安全に、今まで通り使い続ける方法はある。単純に、ネットに繋がなければいいのだ。年配の方が長く使う様な、年賀状プリントのソフトなどは、古いものほどネットに繋がなくても問題なく使用できる。単にWordや一太郎で書いた文章をプリントしたいだけならば、ネット接続は必要ない。今あるXPのPCからLANケーブルを抜く。無線で繋いでいるなら無線機器を外す。これだけで今迄通り使い続けられる。XPと同時にサポートが切れるOffice2003だって使い続けられる。作成したデータを他で使いたければUSBメモリでも使ってデータの受け渡しも可能だ。Webやメールは観ることはできないが、あまりネット利用をしない人であれば代用品はスマートフォンでもタブレットでもいい。完全なオフラインPCでも、結構使えるものだ。新しいOSに買い替えたことで、今までつかえたソフトが使えない、なんてことも回避できる。
とはいえ、増税でまた物が売れず、景気が悪くなってしまうのも有難い話ではない。生活に困っているような人でなければ、やはりここは高いPCを惜しげなく買い換えていってほしい気持ちもある。
(戸次義継)