1月4日、吉本興業の大崎社長が「私たちは彼の才能を惜しむものです。願わくば、社会の皆さま、ファンの皆さまのご理解を得て、いつの日か吉本興業の元に戻ってきてくれるものだと信じております」と紳助の復帰を歓迎する発言をした。
あまりに早すぎる復活のアドバルーン。それもなぜ、年頭の挨拶で? 吉本興行にはクレームの電話が殺到した。
紳助の復活を望む理由として、芸能記者の間で囁かれているのが「吉本興行の経営基盤が弱っている」というもの。芸人の一部は給与の支払いが遅延しており、内部留保が20億円を切ったとも言われている。
「松本人志の映画に投資しても回収しきれていないことや、出版に乗り出してみたのはいいが、ヒット作が期待ほど出ずに、赤字続きなのがボディブローのように効いているのでしょう」(芸能プロダクション幹部)
出版のやり方も、吉本は強引だ。
「吉本興行が出版事業を始めたタイミングでは、片っぱしから、もうすすめているタレント本の権利を、製作途中なのにもかかわらず『うちのタレントのものはすべてこちらに権利がある』と強引に権利をもっていきました。大崎社長のみならず、『一度仕掛けた戦争には負けられん。勝つためには手段を選ばん』というのが吉本のやり方なのです」(出版社スタッフ)
そもそも吉本は歴史が長く、暴力団との関わりなしに興業は打てない時代を経ている。さまざまな暴力団とのしがらみもあった。
「山口五代目の時代から、中田カウスを通じて、山口組と蜜月だったことは否定できない。」(在関西・全国紙社会部記者)
暴力団とのつながりを指摘されてテレビからは姿を消した中田カウスだが、「なんばグランド花月」には変わらず出演している。
暴力団との関わりなど、本音では悪いと思っていないのが、実情なのだ。
だが、紳助が戻ってくれば、吉本の経営は好転するのか。
1月15日に放映された、さんまが司会の「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)は、関東地区で平均視聴率21.2%(ビデオリサーチ調べ)を記録。関西地区では25.9%だった。瞬間最高率だと、関東で25.2%、関西では30.5%と、驚異的な数字をあげた。この視聴率こそが、紳助はいらないという国民の声だろう。
(渋谷三七十)