普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市の2月13日の市長選で、佐喜真淳氏が市長に納まった。佐喜真氏の普天間についての主張は、「県外移設」。だが前自民党県議であることから、普天間について進展するのではないか、と期待が持たれている。
痛みを沖縄にばかり押しつけることへの疑問はもちろんだが、そもそも、なぜいつまでも他国の軍隊が日本に居座っているのかという疑問も、忘れてはならない。
そのために読みたいのが、佐藤雅彦著『爆発危険! テロ米国「トモダチ」安保』(鹿砦社)だ。

タイトルから分かるように、東日本大震災への出動を「トモダチ作戦」と名付けた米軍のキャンペーンに騙されるな、という鋭い警告を本書は発している。米軍は、放射能汚染を恐れて、原発被災地には一切近づかなかったのだ。

太平洋戦争末期、アメリカは地震兵器で日本を壊滅状態に追い込もうとしていた。そんな、衝撃の暴露から本書は始まる。
「地震計画」の存在は、2004年1月に機密解除された、ワシントン国立公文書館所蔵の計画書に記載された、歴とした事実なのだ。

地震源の集中する日本に、原発を林立させたのは、日本を隷属させるためのアメリカの思惑によるものだったことも、本書は明らかにしている。
今さら人に聞けない、核開発の歴史的経緯のイロハ、原子爆弾の作り方などから解き明かし、知られざる情報を組み合わせて、真実を浮き彫りにしていく、筆者の手腕は確かだ。

安保条約についても、日本の敗戦から条約成立までのイロハから解き明かされている。
そして今、安保条約はどうなっているのか? なんと海賊退治を名目に、アメリカに言われるまま、東北アフリカのジブチに自衛隊の基地まで建設していたのだ。
自国内にある米軍基地の問題も解決できずに、他国に基地を造っていたとは。いやはや、これこそ安保の本質。なぜこの問題が、ほとんど論じられることもないのか、不思議なほどだ。

報じられたまま忘れられた事件についても、本書は検証を加えている。
2010年3月26日、南北朝鮮の「国境」付近で、韓国の哨戒艇「天安」号が、真っ二つに折れて轟沈した。
北朝鮮に魚雷による沈没と米韓軍事同盟は断じ、日本政府も追随した。マスコミもそう報じ、ほとんどの日本人がそれを信じたままだ。
だが国際合同調査団に加わった、シン・サンチョル氏は「爆発はなかったし魚雷もなかった」とする書簡をクリントン国務長官に送っている。
詳細な検証は本書を読んでいただくしかないが、座礁と衝突が重なった、というのが真実なのだ。

本書を読み進めていけば、真実を知るだけでなく、それを突き止める術も学べるだろう。

(FY)