AV業界もデフレなんだな、と思わず溜息を漏らしてしまったのが、AV女優の杏樹紗奈(あんじゅさな)がツイッターで自分の出演料を暴露したことが、ネットや週刊誌で話題になっている件だ。
19歳でデビューして「くるみひな」の名で活動し、昨年「杏樹紗奈」に改名して、現在23歳の杏樹。
「くるみひな」名義での6,381,500円と、「杏樹紗奈」名義での11,853,000円と併せて、4年間で稼いだ総額は、18,234,500円。
ネットでは「相当な稼ぎ!」と驚いている声もあって、やはりデフレなんだな、と思う。
AV全盛期の単体女優なら、1年間の稼ぎとしても少ない方だ。
年収は3~5千万あって、引退するまでには家を建て、水商売の店を持つぐらいの資金を貯めているのが本当だろう。
AV女優は稼げる期間が短いし、そこでの経験が他の職業へのステップアップにつながると言うことは、きわめて少ないのだから。
彼女自身も改めて計算してみて、〈月収38万円×12ヶ月=年収450万円 月収38万円4年勤務の場合と同様〉と、サラリーマンの収入とさほど変わらないということに気付いている。
そして現在の貯蓄残高393万円、ということだ。
全く働かない彼氏を養っていたことがあり、ある日彼は知らない間に荷物をまとめて出て行ったことまで、杏樹は赤裸々に語っている。
それではいけないと思った彼女は、テレビのADとして働いたこともあるが、1カ月の給料は15万円で、AV女優の15倍の労働日数で1/4の額であることに、彼女は愕然とする。
杏樹の告白は「さらけ出しすぎ」と話題になったが、過去にも出演料をさらしたAV女優はいる。
2009年に浅井千尋がブログに明かしている。
〈私の今月の収入は、エキストラ17000円、エキストラ+手コキ20000円、名古屋ハメ撮り→最初は12万円でしたが、尿官結石になり撮影延期。その為のホテル代負担。撮影当日に中断した為、更に減ります。そして全て10%の源泉徴収。おそらく今月は8万くらいでしょうか!?〉
浅井は、SMなどの過激な撮影にも応じる、企画女優。AV女優の収入は凸凹が激しいから、他の月にはもっと稼いでいるのだろうか、それにしても少ない。
浅井はOLからAV女優に転身した。彼女のブログのトップには「真面目なOLはもう辞めました。 気持ちに無理はしたくない、本当に自分がやりたいことがしたい。『AV女優になりたい!』 這い上がる元OLのリアルドキュメント」と書かれている。
ADへの転身で脱AVを試みた杏樹と対照的に、浅井のほうは、AVが自己実現の道になっているのだ。
それにしてもなぜ、AV女優の収入はかくも少なくなったのか。
杏樹は、こんなふうにも呟いている。
〈最高月収?3,120,000(23年8月) ※無修整ビデオ撮影時〉?????????????????????????? 杏樹の無修正ビデオのタイトルはずばり『初裏Debut』で、「一本道」というサイトで会員になるとダウンロードできる。
改めて説明するまでもないだろうが「無修正」とは、モザイクがかかるべきところが見えるビデオ。本来であれば刑法175条のわいせつ物頒布等の罪に触れる。
「一本道」のサイトは日本語で書かれていて日本人向けなのだが、海外にサーバーがあるために日本の法律で取り締まられない。
刑法175条では、頒布するほうは罪になるが、見るのは罪ではない。
全く誰もおとがめなしなので、杏樹も堂々と「無修整ビデオ撮影時」などと書けるのだ。
そうしたサイトは「一本道」の他に「カリビアンコム」などが有名だ。1カ月、50$~60$とドル建てなので、円高の今はお得。入会するとその期間は何本でもダウンロードできる。1本の単価は数百円程度になってしまうのだ。
これでは、よほどのことがないかぎり、表のAVを見ようという気にはならないだろう。
表のAVは売れなくなり、それが女優のギャラにも響いている、というわけだ。
AVも他の業界と同じく、グローバル化がデフレの原因ということのようだ。
(FY)