「沢村がDeNAに初勝利したゲームでヤンキースの関係者が視察にきていたという情報が、沢村にも届いていました。それであの熱投になったのでしょう」(プロ野球担当・スポーツ記者)
巨人の沢村拓一投手は、「気持ちで投げる投手」だといわれる。スライダーも直球もカーブも、まだ伸びしろがあると見られている。
「当然、沢村が望むのは、メジャーリーグでのデビューです。もはや巨人の18番などというせこい目標ではありません」(プロ野球関係者)
沢村は、早くもダルビッシュがメジャーで投げたすべての投球の分析を始めているという。
巨人の完投一番乗りは、内海でも杉内でもなく、沢村だった。
「2年目の選手ですからね。他の投手は恥だと思うべきだ」(巨人ファン)
沢村は、熱心に野球を研究することで知られる。中学から大学時代までの監督は揃って「研究熱心な選手」と評し、本人も小さい頃からピッチングフォームについて考えるのが癖となっていた。
中央大野球部で「自分のために野球をする」意識を叩き込まれた。これは自分が良いプレーをすればチームの勝ちにつながり双方にとってプラスになるというもので、味方が打てないなら自分が抑えればいいという考えにつながっている。
「沢村は、江川卓のようにビジネスとして野球を捉えているわけでもなく、ダルビッシュのように勝負の美学をもっているわけでもない。強いていうなら、野球をより強くする方法を考える、学究者です」(スポーツ・ジャーナリスト)
沢村は、1年目に打線の援護に恵まれなかった。200イニングも投げて、防御率が2.03.本来であれば15勝くらい勝っていてもいいのだが、11勝11敗に留まった。
「じつは、ダルビッシュよりも沢村のほうがメジャーリーグでコテンパンにやられる可能性がある。力押しする癖があるからです。ですから、沢村がメジャーに行くほど成長するには、抑えても抑えても負け続けたほうがいいのです。それだけ研究を重ねていくのですから」(前出・スポーツ・ジャーナリスト)
さて、沢村がなぜヤンキースのスタッフが見ていると熱投になるのか。
「沢村が仮に巨人に入らない場合にと、ヤンキースが食指を伸ばしていました。いまでもヤンキースが沢村をウォッチしていることがこれで明らかになったのです。力が入らないわけがありません」
それにしても、ざっと計算しても「合計70億円ナリ」になる打線はどうなっているのか。まるで点がとれないが。
「野手をすべて楽天と入れ替えたほうが打つのではないでしょうか」(アンチ巨人)
ナベツネが金をばらまいた「選手枠」に沢村は入っていない。どちらかといえば、渦中の人物、清武氏に連れられてきた沢村は、3、4年後、メジャーリーグのマウンドにいるのだろうか。
「まあ、三顧の礼でメジャーに入団したダルビッシュの成績が、日本人投手の年棒の基準になるだろうね」(スポーツ紙メジャーリーグ担当記者)
金でなく、学究心で突き進む沢村の今後に注目したい。
(渋谷三七十)