「いったい膨大な人数、捜査費用、時間を使って特捜部は何をしていたのか。証言を改ざん、物的証拠がない。そんな捜査で本来、起訴があるわけないだろう」(弁護士)
弁護士のコメントはしごく当たり前の話である

東京地裁は、小沢一郎民主党元代表への判決で4月26日、無罪を言い渡した。
「そもそも、担当の特捜部長の大鶴基成は途中で辞めた。大阪地検特捜部による厚生労働省の文書偽造事件の捜査で、検事による証拠の改ざん、隠蔽が発覚したのも逆風となった。市民に判断をあおいだ検察審査会にあがって、不起訴とならなかったが、それでも法曹史に残る汚点だ。これで裁判所は特捜部の捜査はすべて疑ってかかるようになる」(検察に詳しい全国紙社会部記者)

地検が得意な「ストーリーありき」の強引な取り調べと、「作り上げたストーリー」はみごとに瓦解。当初、東京地検特捜部は西松建設の巨額献金事件と陸山会の収支報告書虚偽記入事件の二つを執拗にマークして、「公共事業受注が目的のゼネコン」と、「業者選定に強い影響力を持つ小沢事務所」に踏み込み、集票システムまで洗うという判断があった。
小沢の無罪判決は、東京地検特捜部の存在意義が問われるほどの大ミスである。

遡れば、1947年に東京地検特捜部が発足した当初は、「政治汚職」「経済疑獄」「大企業などの横領」などの摘発や捜査をめざしていた。やがて1957年に大阪地検特捜部が発足し、東京・大阪の2特捜部態勢が続いていたが、1996年に名古屋地方検察庁にも特捜部が置かれ全国で3特捜部の態勢となっている。
「ところが、実績があまりあがらなくなったころから、『目立つ事件をやりたい』という風潮がはびこり、ライブドアのホリエモンや鈴木宗男などにも手を出していった。当時の特捜部長の大鶴基成は、今、ヤメ検だらけの弁護士事務所にいますが、責任をとるべきは、当初から小沢を追っていた大鶴ではないでしょうか」(元法務省職員)
この際、特捜部はすべて解散せよ。ただでさえ、消費税が増税されそうなこのご時勢、われわれは無能な検察に払う税金は一円もないのから。

(渋谷三七十)